「コロナ鍋」ではなく「コロナ禍」
最近、新聞やネットメディアなどで「コロナ禍」という言葉をよく目にするようになりました。
今まであまり見ることのなかった漢字ですよね。
コロナ鍋?と空目してしまいがちですが、「コロナ禍」とはどういう意味なのでしょうか?
今回はこれについて調べてみました。
スポンサーリンク
コロナ禍の禍は「災禍」
コロナ禍の「禍」は「か」と読みます。
「禍」とは「よろこばしくない事態・災難」という意味です。
この字を含んだ言葉として、「禍福は糾える縄の如し」という有名なことわざがあります。
災いも見方を変えればメリットになる、といった意味ですが、コロナウイルスに関してはメリットはあまり見当たりませんね……
広い目で見れば環境が改善している、くらいのものでしょうか。
それも経済活動の停滞によって起きているものなので、人間の側からすれば大打撃です。
つまり、「コロナ禍」とは、「新型コロナウイルスによってもたらされる災い・打撃」といった意味になります。
新型コロナウイルスははやり始めたころはワクチンのないインフルエンザみたいなものだ、といわれていましたが、しだいに警鐘でもインフルエンザよりずっと症状が重く、致死率も高いということが明らかになりつつあります。
人々の健康に与える打撃も大きなものですが、それ以上に新型コロナウイルスの流行は人々に自粛生活を強いることで、社会経済が大きな打撃を受けてしまうことにあります。
コロナ禍の影響は病気だけではなく、世界的な大不況
IMFは2020年の世界全体の経済成長率を大幅に引き下げ、-3%になるとの見方を示しています。
新型コロナウイルスの流行は人々の活動を停滞させ、投資も消費も縮小させてしまうので、大不況の到来が避けられなくなってきました。
コロナウイルスに感染して重症化するより、経済的危機で大打撃を受ける人が多くなります。
こちらがコロナそのものよりもっと深刻な「コロナ禍」です。
最近、ローマ教皇がベーシックインカム導入の必要性を訴えましたが、それくらいの経済危機がやってくるという認識があるということです。
リーマンショックの時は、失業した人々が他のサービス産業に吸収されていくという流れになりましたが、コロナショックが影響を与えるのはほぼ全業種と考えられます。
とくに強い影響を受けるエンターテイメント産業・観光業などで失われる雇用の受け皿となる産業がすぐにできるとも考えられません。
失業率もかなり上がると思われるので、こうした人々を救うには、もはやベーシックインカムを導入するしかないのかもしれません。
自粛生活が続くことによるストレス・社会不安の増大
コロナウイルスの蔓延を防ぐためには、どうしてもある程度の自粛生活を強いられます。
ロックダウン中はもちろんのこと、厳しい外出規制をかけられていない日本においても、緊急事態宣言中は気楽に飲み歩いたりすることはできません。
「3密」を避けるためには人が集まることができないのでライブイベントや演劇などの活動もやりにくく、外でストレスを解消することが難しくなります。
どうしても家でストレスを解消することになるので、動画を見たりゲームで遊んだりすることになりますが、これでストレス解消ができる人だけではありません。
旅行が趣味の人なども今はそうそう出かけられないので、かなりストレスフルな生活をしなくてはいけないことになります。
また、テレワークをすることになり、慣れない就業形態で働くこともストレスになります。
結婚している人の場合、配偶者がいつも家にいることもストレスになりますし、「コロナ離婚」も増える傾向にあります。
今は収入が減っていない人も、その収入をいつまで維持できるのかという不安に見舞われることになり、そうした不安が身近な人にぶつけられる可能性も出てきます。
こうした「社会の不安の総量の増加」もまた、「コロナ禍」のひとつといえます。